「週4正社員のススメ」多様な働き方における選択肢の一つとして【書評】

こんにちは! YUKA です。

「働き方改革」が声高に叫ばれている昨今ですが「じゃあいったいどうやって改革すればいいの?」と思うことも多いですよね。

そこで今回は、働き方の選択肢の一つとして挙げられる週4正社員について書かれた「週4正社員のススメ」をご紹介します。

著者 安中 繁(あんなか しげる) 先生のご紹介

「週4正社員のススメ」の著者である 安中 繁(あんなか しげる) 先生は、ドリームサポート社会保険労務士法人 の所長をされている社会保険労務士の女性です。

専門はまさに「週4正社員制度の導入支援」

というのも、安中先生はご自分の社会保険労務士事務所で2011年から週4正社員制度を導入されており、そのノウハウを生かして制度の推進に努められているのです。

「週4正社員」とは?

さて、改めてここで質問です。

「週4正社員」ってご存知ですか?

「聞いたことがある」「知っている」という場合、多くはユニクロが導入している「週休3日制(週4日勤務)」のイメージかと思います。

2015年に「ユニクロが週休3日制を導入する」というニュースが流れたときは、私も衝撃を受けました。

明確な定義があるわけではない

とはいうものの、実は週4正社員に明確な定義があるわけではありません

週4正社員というのはあくまでも「多様な正社員」の一類型にすぎないうえ、企業ごとに定義づけは様々です。

たとえば、以下の働き方はいずれも週4正社員と言えます。

  1. 1日10時間、週の労働日数は4日(変形労働制を採用)
  2. 1日7時間、週の労働日数は4日、給与はフルタイム正社員との時間差分を減額
  3. 一部の従業員にだけ上記1,2のような週4正社員制度を適用

つまり「こうでなければならない」というような制約はなく、それぞれの企業に合った制度を作り上げることができる非常に柔軟な制度というわけです。

MEMO

「多様な正社員」とは?

「多様な正社員」とは、いわゆる正社員(従来の正社員)に比べ、配置転換や転勤、仕事内容や勤務時間などの範囲が限定されている正社員のこと。

その呼び名については「限定正社員」「制約正社員」など様々あります。

企業から見た週4正社員のメリット・デメリット

では次に、企業側から見た週4正社員のメリット・デメリットをあげてみます。

メリット

まずはメリットから。

メリット① 優秀な人材を確保できる

週4日勤務といった柔軟な働き方ができる会社は、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)を気にする人にとってはとても魅力的に映るはずです。

ということは、それまで育児や介護など様々な事情で正社員を断念していた優秀な人材が「仕事と生活を両立できる」という理由で求人に応募してくる可能性が増え、結果的に良い人材を確保できるチャンスとなり得るというわけです。

メリット② 優秀な人材の離職を防止できる

採用の場面だけではありません。

家庭の事情でフルタイムでの勤務が厳しくなったときでも、週4日勤務や短時間勤務の制度があれば仕事を継続できる場合があります。

長く働いてもらえれば働き手のスキルが向上するので、それだけ企業側にとって戦力となりますし、柔軟な働き方を提供することでスキルの向上した優秀な人材の離職を防止することもできるということになります。

メリット③ 生産性の向上

週4勤務や短時間勤務を可能とする体制作りの過程で、業務分担が明確になったりチームワークが強化されたりする効果が上がっていると安中先生もおっしゃっています。

時間に制約のある制度を導入するわけですから、企業の運営そのものを工夫しなければならず、その結果生産性が向上するというメリットが得られるのです。

デメリット

週4日正社員のような勤務形態を採用する大きなデメリットとして、勤怠やシフトの管理が煩雑になるということが挙げられます。

働く時間や日数の少ない従業員が増えればシフトはパズルのようになりますし、全員が同じ勤務形態でなければ、勤怠の管理も一通りではすまなくなります。

これらを管理する側の業務はどうしても煩雑になり、業務自体も増えてしまうことはやはりデメリットだと思います。

導入時に一番大切なこと

私は「週4正社員のススメ」を読み進めるにつれ、大きな疑問が湧き上がってきていました。それは、「この制度を導入するのはものすごい時間と労力が必要なのではないか?」ということです。

そしてやはりその疑問は正解でした。

後半になるにつれ、複数の企業の導入事例や導入までの詳細な手順が示されていたのですが、私は正直「これはかなり大変だなぁ…」と思いました。

企業規模にもよりますが、導入までにおよそ1年、制度が定着するにはさらに長い年月を要すると書かれていたのです。しかも、その導入過程も山あり谷ありの大変なもの。

YUKA
私がこれから社労士として仕事を始めたとき「週4正社員制度を導入したい」と言われたらどうすればいいんだろう…

半ば途方にくれ、弱気になっていた私ですが、本の中にきちんと答えがありました。

その答えとは、「何のために新しい制度を導入しようとしているのか」を明確にすること

週4正社員制度はただの道具であり、その道具を使って会社をどうしたいのかという「夢」や「ビジョン」をまず明確にすることが大切なのだとそこには書かれていました。

YUKA
経営者や担当者と「会社をどうしたいのか」というビジョンを共有し、そのビジョンの実現に向けてお手伝いをすればいいんだ!

ゴールが明確であれば多少の困難も乗り越えられるし、制度そのものもブレない。これは個人も企業も同じこと。それなら私にもやれるかもしれない!

そう思うことができた私は、最後には少しだけ自信を取り戻して本をとじました。

まとめ

「週4正社員」という制度も言葉も、まだまだ馴染みの薄いものです。

私自身、この本を読み始めた最初のうちは制度そのものに抵抗もありましたし「本当にできるのか?」という疑いもありました。

ですが読み終えた今、今後必ずクローズアップされてくるだろうし、されなければならない制度だと感じています。

働き方改革の選択肢の一つとして、非常に読む価値のある本でした。