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大原則:切り捨てはダメ、ゼッタイ
給与計算時の端数処理ですが、大原則は切り捨ては法に違反するというものです。 例えば時間の端数処理。「4時間11分」という労働時間に対して給与を計算する場合は、どうすればいいでしょうか?- キリよく「4時間」でいいんじゃない?
- 1分ぐらいは切り捨てOK?「4時間10分」で!
- きっちりぴったり「4時間11分」でしょ!
- 従業員のために!「4時間15分」に切り上げるべし!
- 端数は問答無用で切り捨て!「3,974円」
- 四捨五入が基本でしょ?「3,794円」
- 従業員のために全部切り上げ!「3,795円」
▎四捨五入はほんとにダメ?
賃金の支払いについて 通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律 3条1項(詳細は省きます)を根拠に「銭単位は四捨五入OK」とするところもありますが、労働基準監督署に確認したところ「切り上げてください、四捨五入もダメです」とのご回答をいただいています。
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例外:3つの「時点」
ここまでお伝えしてきたのは「大」原則です。 実際には「こういう場合は労働基準法に違反しないよ」という処理方法が通達(S63.3.14 基発第150号)で5つ示されています。 いずれについても「常に労働者の不利となるものではなく、事務簡便を目的としたものと認められるから」という理由で適法とされています。 それでは順番に見ていきましょう。ポイントは「今、何を計算しているのか?」を3つの時点に分けて考えることです。例外①:時間計算時
まず最初は「時間計算時」です。以下の場合は労働基準法に違反しないとされています。▎MEMO
①1ヶ月の時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満を切り捨て、これ以上を1時間に切り上げることたしかにわかりにくいですね。では具体例を出してみます。 Aさんが、12月に以下のような時間外労働をしたとします。なんでこんなにわかりにくいん?
| 3日 | 25分 |
| 11日 | 31分 |
| 12日 | 20分 |
| 14日 | 1時間 |
| 19日 | 50分 |
| 21日 | 1時間5分 |
| 合計 | 4時間11分 |
- 合計時間→11分を切り捨て4時間とすることは適法
- 1日ごとの時間外労働時間→切り捨てることは違法
例外②:金額計算時
次は「金額計算時」です。ここでは、以下の2つの場合には労働基準法に違反しないとされています。▎MEMO
②1時間当たりの賃金額及び割増賃金額に円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること ③1か月における時間外労働、休日労働、深夜業の各々の割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げることそう、ここで少し引っかかってしまうので一旦整理します。あれ?「時間」と「金額」で混乱してきた…
- 労働時間の計算は1日単位での四捨五入は違法
- 金額の計算は1時間単位での四捨五入も適法
- 1ヶ月単位の四捨五入は時間・金額ともに適法
例外③:支払時
最後は「支払時」です。ここでも、2つの場合については労働基準法に違反しないとされています。▎MEMO
④1か月の賃金支払額(賃金の一部を控除して支払う場合には控除した額。以下同じ。)に100円未満の端数が生じた場合、50円未満の端数を切り捨て、それ以上を100円に切り上げて支払うこと ⑤1か月の賃金支払額に生じた1,000円未満の端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うこと- 1ヶ月の最終支給額→100円未満を四捨五入しても適法
- 1ヶ月の最終支給額→1,000円未満の端数は翌月に繰り越しても適法
まとめ
給与計算の端数処理、いかがでしたでしょうか? 最近は給与計算ソフトも多数出回り、手計算で給与を計算することなどはまずないかもしれません。ただ「ソフトに任せておけば安心」と思っていたのに実は違法だった、ということもありうる話です。 会社を守るため、従業員のみなさんを守るため、正しい知識を身につけておきたいものですね。合わせて読みたい関連記事
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