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ゆかねぇ(渡邊 由佳)
Gallup認定ストレングスコーチ・社会保険労務士
愛知県西尾市在住、京都市生まれ。
強みの伝道師として、一人でも多くの方が強みを活かして自分らしく生きていけるようストレングスファインダー(クリフトンストレングス)を使ったコーチングをしています。
TOP5は 未来志向・達成欲・戦略性・最上志向・活発性。
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【働き方改革】勤務間インターバル制度導入の努力義務化をわかりやすく解説

こんにちは、 社会保険労務士の 渡邊 由佳  (@officeyuka) です。

2019年4月から順次施行されている 働き方改革関連法 ですが、「年次有給休暇の取得義務」や「時間外労働の上限規制」と比べてあまり取り上げられていないのが「勤務間インターバル制度導入の努力義務化」ではないでしょうか。

とはいえ、

[prpsay img=”https://officeyuka.com/wp-content/uploads/2019/02/ojisan3_question3.png” name=””]勤務間インターバル?その言葉すら知らないなぁ[/prpsay]

なんていう場合も多いのではないかと思います。

そこで今回は、勤務間インターバル制度そのものから改正内容まで、全部まとめてわかりやすく解説します。

目次

勤務間インターバルとは?

まずは「そもそも勤務間インターバルとはなんぞや?」について。

勤務終了後、一定時間以上の「休息時間」を設けるもの

「勤務間インターバル」とは、勤務終了後、次の勤務までに一定時間以上の「休息時間」を設けることを言います。

たとえば、残業で仕事を終えるのが23:00になってしまった場合に、本来が8:00始業なら10:00始業にして休息時間を確保する、ということです。

この「休息時間」についてはあくまでも「一定時間以上」なので、具体的に「◯◯時間以上」と決められているわけではありません

[note title=”豆知識”]ヨーロッパでは 勤務間インターバル制度 は早くから導入されており、終業から始業まで11時間をあけるというのがEUの決まりになっています。[/note]

勤務間インターバル制度導入のメリット

勤務間インターバル制度を導入することにより、従業員のみなさんが一定の生活時間や睡眠時間を確保することができます。

これによって従業員の健康を守ることができますし、ワーク・ライフ・バランスを保つこともできます。

さらには労働環境が良くなるわけですから、人手不足の解消につながる可能性もあります。

上記のメリットは勤務間インターバル制度だけで生まれるものではないかもしれませんが、働き方に関する他の取り組みと合わせて実施することで、より一層の効果が上がるのではと期待されています。

勤務間インターバル制度の現状

とはいうものの、日本での勤務間インターバル制度の普及はまだまだと言わざるをえません。

平成30年の 就労条件総合調査 では、勤務間インターバル制度を導入している企業全体の 1.8% に過ぎず、導入も検討もしていない企業のなんと 29.9% が「勤務間インターバル制度を知らなかったため」と回答しています。

政府は、2020年までに勤務間インターバル制度を導入している企業割合を10%以上とすることを目標としており、制度推進の一環として今回の法改正が行われたのではないかと思います。

2019年4月からの改正内容

続いて、2019年4月からの改正内容を見ていきます。

勤務間インターバル制度の導入が努力義務に

労働時間等設定改善法 が改正されたことにより、前日の終業時刻 から 翌日の始業時刻 の間に一定時間の休息を企業(事業主)側が確保すること努力義務として規定されました。

あくまでも努力義務ですので導入しなかったからといって罰せられるようなことはありませんが、従業員の健康を確保し長時間労働を是正するためにも導入に努めてくださいね、ということです。

他社との取引の際にも配慮義務が

また、ほとんど取り上げられていないのですが、自社だけではなく他社との取引の際にも以下のことに配慮するように法改正がされました。

  • 著しく短い期間の設定及び発注の内容の頻繁な変更を行わないこと
  • 取引先の労働時間に関する取組みを妨げるような取引条件をつけないこと

随分ややこしい言い回しですが、要するに「取引先の従業員に長時間労働をさせるような無茶は言っちゃダメよ」ということです。

勤務間インターバル制度の導入方法

ここまでは制度の内容を見てきましたが、では実際に勤務間インターバル制度はどのように導入すればよいのでしょうか。

方法① 始業時刻の繰り下げ

1つ目の方法は、前日の終業時刻が遅くなった分、始業時刻を繰り下げるというものです。

図の方がわかりやすいので下の図を見てください。

この図の場合、11時間の休息時間を確保するために始業時刻を2時間繰り下げています。

さらに終業時刻も繰り下げていますが、終業時刻はそのまま(この場合17時)とすることも可能です。

方法② ある時刻以降の残業を禁止

2つ目の方法は、始業時刻は変更せず、休息時間を確保できる時刻以降の残業を禁止するというものです。

先ほどの例でいくと、8時始業・休息時間11時間 を確保するために、21時以降の残業は禁止するということです。

まとめ

勤務間インターバル制度はまだまだ普及率が低いですが、長時間労働の是正や従業員の健康確保につながる制度ですし、政府も積極的に推進しています。

勤務間インターバル制度を導入することでもらえる助成金もありますから、興味を持たれたなら導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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